京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻の院試に合格した
2021年夏の大学院入試で、京大大学院情報学研究科システム科学専攻に合格しました。大学入試と比べ、大学院入試ではとにかく情報が少なく苦労しました。そこで、これからシステム科学専攻を受験する人のために、自分の体験をまとめておこうと思います。
Contents
院試の概要
試験科目
2021年夏のシステム科学専攻の院試は、(例年通り)以下の4科目で行われました。
- 英語(100点)
- 数学(120点)
- 専門(100点×2科目で200点)
- 口頭試問(150点)
各科目の詳細は以下の通りです。
- 英語:
TOEFL iBTスコアの事前提出(TOEICやIELTSのスコアは不可)。院試当日の英語試験は無し。 - 数学:
「線形代数」、「微分積分」等から出題される。例年、線形代数と微分積分からしか出題されていない。 - 専門:
「論理回路」、「工業数学」、「基本ソフトウェア」、「確率統計」、「制御工学」の5科目から解答時に2科目選択して解答する。 - 口頭試問:
志望動機、卒業後の進路などについていろいろ聞かれる。
倍率
直近4年間の各専攻の志願者数は以下の通りです。
| 専攻(定員) | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
| 知能情報学 (33) | 93 | 103 | 109 | 107 |
| 社会情報学 (32) | 51 | 61 | 48 | 58 |
| 先端数理科学 (14) | 35 | 21 | 15 | 31 |
| 数理工学 (19) | 34 | 32 | 33 | 29 |
| システム科学 (29) | 63 | 62 | 69 | 44 |
| 通信情報 (39) | 68 | 64 | 60 | 54 |
科目別やったこと
英語(TOEFL iBT)
システム科学専攻ではTOEFL iBT以外のスコアの提出を受け付けていないため、TOEFL用の参考書で勉強しました。院試前に英語と専門を両立するのは大変そうだったので、3回生の夏休みに時間をとって勉強し、10月末に受験しておきました。
リスニング
TOEFL iBTでは、リーディングセクション以外のすべてのパートで英語を聞き取る必要があるため、リスニング対策はTOEFL対策の中で最も優先順位が高いでしょう。以下の公式問題集(青本と赤本)でディクテーションをやりました。ちなみに、TOEFLの受験申込時に「公式問題集も同時に購入しますか?」的な案内があり、そのタイミングで買うとTOEFL公式参考書が安く買えます(今もそうなのかはわかりませんが)。自分はそのタイミングで赤本を15ドル(送料8.75ドル)で買いました。
(赤本は日本語版がないので、英語版を使うしかない…)
リーディング
「リーディングは大学受験の時に十分やったし大丈夫だろう」ということで、リーディングセクション対策にはそこまで時間を掛けていません(というよりリスニング対策が大変でリーディングどころではなかった)。上記の公式問題集で何回分か解きました。また、以下の定番単語帳で単語を覚えました。
ライティング
Integrated Task対策として、以下のようなサイトを参考にテンプレを作成し覚えて行きました。 ライティングセクションは時間がカツカツなので、テンプレの作成はマストです。
・【28点取得】TOEFLライティングの対策方法(おすすめテンプレート+具体的なエッセイの書き方も解説!)
・Complete TOEFL Essay Templates for 2021
また、Independent Task対策として、限られた時間で筋が通った英文を書けるようにするため、こちらの参考書で時間を測って自由英作の練習をしていました。内容は全て英語で書かれていますが、英作する際のポイントがまとまっている上に、自由英作のテーマ(問題)とその解答例が豊富に掲載されているため,おすすめです。
スピーキング
上記の公式問題集に加え、以下の参考書を使って便利な表現を覚えていました。試験場でいきなり英語を喋ろうとしても詰まってしまいそうだったので、普段から部屋や帰り道人がいないところでぶつぶつ喋っていました。
数学
線形代数
授業で学んだ線形代数の知識は綺麗に忘れ去っていたので、まずは1回生の時の指定教科書で線形の知識をざっと復習しました。この本には各単元の知識がコンパクトにまとまっており使いやすいです。
次に、過去問の傾向を把握しつつ、網羅系の問題集を解いて様々なパターンの問題に慣れました。解いていく中で詰まったところなどはマセマで確認しました。
上記の網羅系問題集を2周ほどやった後、7月頭あたりから過去問に取り組みました。過去問はシステム科学専攻のホームページで公開されています(解答は公開されていません)。
微分積分
微分積分に関しても、授業で学んだことは何一つ記憶に残っていなかったので、まずはマセマで基本事項を復習しました。その後、線形と同様網羅系の参考書で様々なパターンの問題を解きました。
上記の網羅系問題集を2周ほどやった後、7月頭あたりから過去問に取り組みました。
専門
専門は、制御工学と工業数学を選択するつもだったので、この2科目を勉強しました。ただ、余裕があるなら3科目やっておいた方が安全です。今年の試験のように傾向が少し変わったときに対処しやすそうなので。実際、3科目やっておけばよかったと試験中に後悔しました。
制御工学
学部の制御工学の授業の指定教科書を使って勉強しました。過去問を見てもこの本に載っている問題と似ている問題しか出ていないので、この一冊で制御工学対策は完結しました。システム科学専攻の制御工学の試験は古典制御からしか出題されないので、対策しやすいと思います。
上記の教科書を一通りやった後、7月頭くらいから過去問を解きました。過去問を見てみると分かると思いますが、ボード線図や安定判別法など、毎年出るところがだいたい一緒です。ありがたい。
工業数学
工業数学という名の複素解析。以下の参考書が過去問の範囲を網羅できていたので、これを使いました。制御工学と同様、この本を一通り解いた後に過去問を解きました。
また、上記の本で詰まったときに参考にする本として、研究室の先輩に勧められたこの本を使っていました。解説が丁寧で分かりやすいです。
口頭試問について
2日目の口頭試問の日は、受験生全員が指定時刻に控室に集合したのち、受験番号が若い順に呼ばれました。ちなみに、服装は全員スーツでした。
少なくとも自分の口頭試問は、先生3人対自分という形式で行われました。3人のうち1人は第一志望の研究室の先生でした。面接の内容としては、「今の研究内容は?」、「大学院でどんな研究がしたい?」、「卒業後はどんな仕事に就きたい?」など、予想していたものから、「大学入学以降、授業以外で頑張ったことは?」といった質問までありました。このあたりの質問内容は面接していただく先生によりそうです。
まとめ
情報系は他の先行に比べて倍率が高めなので、TOEFLを受けに行くにしろ専門や数学を勉強するにしろ、早めに始めるのが良いでしょう。
また、試験では1科目目の数学の手ごたえが良くありませんでしたが、数学の試験後に他の受験生も「今年の数学難しかった」的な話をしているのを聞き、気を取り直して専門の試験に取り組みました。「自分が解けない問題は周りも解けない」くらいの気持ちでいるのが大事だと思います。